【メディアとコンテンツ2013】最終回:アイドルの再生
講義資料(リポート提出要領)はこちらから参照のこと。
1990年頃から始まった「アイドル冬の時代」はまだ続いているとしか思えない。○○○48やハロー! プロジェクト,さらにはももいろクローバーZなどの存在で,確かに「アイドルの存在そのもの」や「アイドルを偏愛する行為」が「カッコワルイコト」ではなくなったとはいえる。
しかし,それは人々の意識の問題であり,アイドルそのものが「新しい春を迎えた」と言えるのだろうか。かつてモーニング娘。はテレビ番組(ASAYAN)を通じてイベントとハプニングでアイドルを売った。○○○48もテレビ・雑誌(グラビア)などでメディア選抜でメンバーの一部を売り続けている。秋元康の売り方もイベントとハプニングが基本だ。システム,楽曲,パフォーマンスの面で「春が来た!」と言えるのか。
その点,きゃりーぱみゅぱみゅが(サブカル的とはいえ)ワールドワイドで受け容れられた意味は大きい。ハロプロや○○○48などでは達成できない偉業だと思えるからだ。
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きゃりーぱみゅぱみゅをアイドルの文脈に位置付けるのは乱暴だとは思うが,きゃりーぱみゅぱみゅこそが「アイドル冬の時代」の氷雪を破砕する存在なのではないか。
きゃりーぱみゅぱみゅには,1960年代から培われてきた日本的なアイドルの意匠,「Kawaii!!こそが正義」という精神風土などが渾然一体として流れ込んでいるようにみえる。同じ中田ヤスタカがプロデュースするPerfumeがそうであるように,きゃりーぱみゅぱみゅも「アイドルという着ぐるみを纏い続けるアーティスト」なのではないか?だから,きゃりーぱみゅぱみゅを分析・研究することが「アイドル論冬の時代」を終焉させ,新たな時代を切り開く道標たりうるはずだと思うのだ。